2023/03/27 12:33

皆さん、こんにちは!サーキュラーワンズです!今回もサスティナブルファッションブランドJulieのご紹介とシルクの歴史についてお届けします。

 シルクって何?

 シルクは、カイコガの幼虫であるカイコが繭を作る際に生成される天然繊維で、主に蚕か得られます。この繊維は、シルクができる前の液体タンパク質、フィブロインという物質から成り立っています。フィブロインは、カイコが繭を作る際に体内の特殊な腺から分泌され、空気に触れることで固まり、繊維になります。フィブロインはセリシンというタンパク質によってコーティングされており、これがシルクの滑らかさと光沢を生み出しています。

カイコは、野生のカイコガと家蚕に分類されます。家蚕は、約5000年前の中国で最初にシルク繊維の生産に利用されたとされており、世界中で広く飼育されています。家蚕は、主に桑の葉を食べるため、シルクを生産する際に必要な養分を得ることができます。一方、野生のカイコガは、様々な樹木の葉を食べることができるため、環境への適応力が高いとされてい

ます。

 シルク繊維の生産過程では、まずカイコが繭を作ることから始まります。カイコは、繭を作るために体内でフィブロインを生成し、それを細い糸状に紡ぎながら繭を形成していきます。繭が完成すると、カイコはその中で蛹になり、やがて羽化し成虫となります。シルク繊維を得るためには、繭を湯に浸してセリシンを溶かし、フィブロイン繊維を引き出す必要があります。このプロセスは、通常、カイコが蛹の状態のまま行われるため、シルクの生産はカイコにとっては犠牲を伴うものとなります。

 シルクは、その美しい光沢や滑らかな質感、保温性や吸湿性の高さから、古代から現代まで様々な文化で高く評価されています。また、天然素材でありながら強度が高いことも、シルクの魅力の一つです。シルクは衣料品や寝具、インテリア用品など幅広い用途で使われており、特に高級品や贅沢品に好んで使用され日本の着物が独自の色合いなどが特徴的ですね!


金と肩を並べる貴重品

シルクは、古くから高級品として扱われ、金と並んで貿易の主要品目でした。シルク生産の効率化が進むと、世界各国でシルク産業が急速に発展しました。特に、日本は1872年に富岡製糸場を建設し、1909年には世界最大のシルク輸出国になりました。しかし、世界恐慌によるシルク価格の暴落や化学繊維の登場で、シルクの需要が減少し、現在は人件費などの問題から、お蚕さんの飼育と繭の生産はほとんどが中国で行われるようになりました。


大量生産されるシルクの品質

現代の中国では、シルク生産の効率が飛躍的に向上し、低価格のシルク製品が市場に出回るようになりました。しかし、その製品の品質はかつての高品質なシルクとは異なります。高速織機での生産により、シルクの繊維に個性が失われ、化学繊維と大差ない素材感になってしまいました。シルクの原料である生糸は、品質に応じて等級が付けられています。最も低いものから順に、屑シルク、2A3A4A5A6Aとなっており、6Aが最高品質とされています。

日本のシルク品質基準

日本では、国内のシルク製品の品質を守るために、厳しい規制が敷かれています。日本で流通するシルク原料のほとんどは3A4A以上であり、日本製のシルク製品は品質に問題がないとされています。

 品質を犠牲に大量生産されるようになったシルク

 現代の中国では、シルク生産における作業効率が飛躍的に向上し、当時ではあり得ない超低価格のシルク100%ネクタイブランド等が登場するようになりました。

その超低価格を実現させているのが、高速織機です。コンピューターによってプログラミングされた機械により、超高速でシルク製品を大量生産出来るようになりました。

しかし、出来上がったシルク織物のクオリティーは、当時高値で取引されていたシルクとはまるで違う物でした。

最大の問題点としては、高速織機でシルクを折る場合、原料となる生糸に節(ふし)などの個性があると困る為、たんぱく質を吹きかけるなどして表面をコーティングし、機械的で均一な生糸にする必要があるという事です。

しかし、シルクの最大の魅力は、節(ふし)などを含む生糸本来の繊細な個性なのです。化学繊維には無い、自然素材本来の個性によって、独特な艶や肌触りが生まれるのです。

高速織機で大量生産されたシルクは、ただツルツルしているだけの生地感となってしまい、レーヨン(人造絹糸)等と見比べても大して違いが無い素材感になってしまいました。

今現在のシルク質は昔より落ちてしまったという事になります。


 シルクの製織クオリティーを左右するポイント

 次に、織りは、品質と生産効率の、どちらを重視して織っているかが大きなポイントとなります。

日本国内で織られているシルクは、恐らく、多くの業者が品質重視で織られております。

と言うのも、いくら生産効率を重視して生産をしたとしても、人件費やロットなどの問題により、中国のコストパフォーマンスに到底敵わない為です。

廉価な中国製と同等の品質でありながら、コスパもいまいちなシルクを織るぐらいなら、高額でも品質にこだわったシルクを織る方が需要があるという事です。

品質の決め手となるポイントはたくさんあるのですが、クオリティーを左右する大きなポイントは織るスピードです。スピードを落とすほど当然生産効率は悪くなりますが、糸にたっぷりと空気が含まれ、風合い豊かな仕上がりとなるのです。

また、誤解の無いように申し上げておきますと、中国製のシルクが全て品質が悪いわけではありません。そもそも、シルクという生地の起源は中国ですので、長い歴史を受け継ぎ、熟練の職人によって、伝統的な技法で織られた中国製のシルク織物は、最高にクオリティーが高い高級品です。しかし、やはり日本の着物で織られるシルクは別格と言えるでしょう。


野蚕シルク・環境と動物福祉への新アプローチ

 近年では、環境保護や動物福祉への意識が高まる中、従来の家蚕シルクに代わる選択肢として、野蚕シルクが注目を浴びています。野蚕シルクは、野生のカイコガから得られる繊維で、家蚕シルクとは異なり、独特の風合いや環境に優しい生産プロセスが特徴です。野蚕シルクは、通常、成虫が羽化した後に自然に落ちた繭を集めて生産されるため、カイコに対する犠牲がないことが大きな魅力とされています。ただし、野蚕シルクは家蚕シルクに比べて生産量が少なく、そのため価格が高くなる傾向があります。

 シルクの起源と蚕に関しての詳しい説明を経て、現在では多様なシルク製品が市場に出回っていることがわかります。シルクはその素材としての特性や、生産プロセスにおける環境への配慮が求められる中で、新たな価値観に基づいた製品が開発され続けていることが伺えます。これからも、シルクはその美しさや機能性を活かし、多くの人々に愛される素材として、さまざまな用途で使用されることでしょう。


 シルクのケア方法

 シルク製品は、適切なケアが必要です。水洗いが可能なシルクもありますが、基本的にはドライクリーニングがおすすめです。また、長時間の直射日光や高温多湿を避け、通気性の良い場所で保管することが大切です。

 シルクの環境への影響

 シルクは天然繊維であり、石油由来の合成繊維に比べて環境負荷が低いとされています。ただし、栽培や生産過程において、農薬や化学薬品の使用が環境への影響を与えることがあります。持続可能なシルク生産のために、オーガニックシルクやエシカルシルクなど、環境に配慮した製品が注目されています。

シルクの価格

シルクの価格は、品質、生産地、織り方、デザインなどによって異なります。高品質なシルク製品は、他の繊維に比べて高価ですが、その独特の手触りや光沢が評価され、長く愛用されています。

 シルクと他の天然繊維との違い

 糸を使った味わい重視のシルク製品が注目されています。野蚕糸は、野生のカイコガから採取される繊維で、農薬や化学薬品を一切使用せず、自然の中で育つカイコガから得られます。これにより、環境負荷が低く、オーガニックでエシカルな素材として人気が高まっています。

 野蚕糸の特徴

 野蚕糸は、一般的な家蚕糸と比べて繊維が太く、強度が高いとされています。また、繊維の表面に凹凸があるため、独特の風合いがあります。この凹凸が、光を複雑に反射させることで、野蚕糸独特の美しい光沢を生み出しています。また、野蚕糸は、吸湿性や保温性に優れており、快適な着心地が特徴です。

 野蚕糸製品の需要

 最近では、均一でない繊維が持つ独特の風合いに価値を見出す消費者が増えており、野蚕糸製品の需要が高まっています。これにより、ファッション業界では、野蚕糸を使用した洋服やアクセサリーが次々と登場しています。また、インテリア用品や寝具など、生活に密着したアイテムでも野蚕糸が取り入れられるようになっています。

 野蚕糸の課題

 しかし、野蚕糸にはいくつかの課題も存在します。野生のカイコガから採取されるため、家蚕糸に比べて生産量が少なく、希少価値が高いとされています。そのため、価格が高くなりがちであり、一般的な消費者には手が届かないことがあります。また、野蚕糸の生産過程は手間がかかるため、大量生産が難しいという課題もあります。

 野蚕糸の今後

 野蚕糸は、その独特の風合いと環境負荷が低い生産過程から、今後も引き続き注目を集めることが予想されます。持続可能な生産方法や技術の向上により、生産コストを抑えることができれば、より多くの人々が野蚕糸製品を楽しむことができるようになるでしょう。また、デザイナーやクリエイターたちが、野蚕糸を活かした新たなデザインやアイテムを生み出すことで、その魅力がさらに広がる可能性があります。

 最後に

 これまでの説明を通じて、シルクの魅力やその多様性、そして環境保護や動物福祉に配慮した野蚕シルクの存在についてお伝えしました。皆様がこれらの情報を参考に、シルク製品を選ぶ際に自分の価値観やライフスタイルに合ったものを見つけるお手伝いができたら幸いです。シルクの美しさや機能性が皆様の日常生活に彩りを添え、心地よい瞬間を提供できることを願っています。

 こちらはサスティナブルファッションブランドJulieで制作した、着物からできた野蚕糸のシルクを使ったネクタイになります!

 

最後に、このブログ記事を読んでいただき、誠にありがとうございました。今後も、さまざまなトピックについて情報を発信していく予定ですので、どうぞお楽しみに。

それでは、良い一日をお過ごしください!